

2015年01月23日 (金) | 編集 |
疑問を提示して丸投げする企画。
以下、咲-Saki-に関するネタバレ多数。
敬称略。
咲-Saki-第13巻を再読していて、「あれ?」と思ったのが、
第129局での回想。
これまで爽のことは特になんの疑問も抱かず、
「右利き」だと思っていたのですが、

この7並べのシーンでは、右手にカードの束を持ってるんですよ。
普通は利き手でカードを切るはずなので、
右手にカードの束を持つ=左利き
と受け止めるのが自然です。
だから「爽は左利きなんじゃないか?」と思い直したんですよね。
しかし、彼女はチームメイトとじゃんけんをするとき、
右手で行っています。

じゃんけんも普通は利き手でするものなので、
じゃあやっぱり爽は右利きなのか、どっちなんだ、
と、かなり混乱しました。

実際のところ、
「爽は左利きかもしれない」と思えるシーンは、
7並べのシーンしかないんですけど、
どのコマでもカードの束を右手に持っているので、
描き間違いということはないと思います。
作者は意識的に、爽の右手にカードを持たせている。
明確な意味が込められたシーンだということです。
もちろん、右利きだから、左利きだからといって、
誰もが利き手ばかりを使うわけではないことは分かってますが、
咲-Saki-は漫画であり、
獅子原爽は創作上のキャラクターです。
「爽がなんとなく右手でカードの束を持った」のではなく、
「小林立が、爽の右手にカードの束を持たせた」のです。
だとしたら、そこにはなんらかの意味が込められていると考えるのが、
誠実な受け止め方ではないでしょうか。
これはじゃんけんについても同じことが言えます。
この疑問に対する自分なりの解釈は、以下の3つです。
①手加減している
左利きだという前提での解釈ですが、
「慣れてない手でじゃんけんをする=力をセーブしている」
という表現の一環ではないか、という考え方です。
爽はいわゆる「強者」として設定されている人物なので、
じゃんけんも得意なのかもしれません。
しかし、本気を出すと絶対に自分が勝ってしまうため、
他のみんなは絶対に負けるし、絶対に楽しめない。
だから、手加減しているのではないか。
その考え方を進めると、7並べを利き手で行うのは、
本気を出しているからということになります。
本気を出さなきゃいけないくらいに追い詰められていて、
心に余裕がない状態を表現していた、という可能性。
②誓子を気遣っている
これも左利き前提での解釈。
「荷物持ちのじゃんけん」に注目してみたのですが、

「じゃんけんするぞ」となったときに、
誓子は右手で持っていた荷物を、慌てて左に持ち替えています。
彼女は右利きであり、真剣にじゃんけんをするため、
利き手を空けたわけですね。
一方、成香と揺杏は荷物を持ち替えてません。
おそらく二人にとってこのじゃんけんは、お遊びでお気楽なゲームだから、
「今、空いている手」でやればいいというくらいの感覚なのでしょう。
すなわち、成香も揺杏も左手を出そうとしている。
そんな中、もし爽も左手を出すということになったら、
右手を出すのは誓子だけということになります。
しかも、真剣にガチな様子なので、
一人だけ浮いてる感じになっちゃうわけですね。
そういう状況を避けるために、
つまり誓子をフォローするために、爽は右手を出したのではないか。
一人だけ違う手を出すのがいい悪いという話ではなくて、
「爽がそのことを気にしている」場面だという考え方ですね。
爽が率先して、両手に持っていた荷物を左手に移し、右手を出してるのは、
慌てて持ち手を変える誓子の「浮いてる感じ」を軽くするため。
つまり、過去にも似たような状況があって、
そのときの経験から、学んだ気遣いなのではないか。
と、そういう可能性も思い浮かびます。
ただ、この解釈で説明できるのは「荷物持ちじゃんけん」の場面だけなので、
他のじゃけんに関しては別の考え方を当てはめる必要はありますね。
※
後のシーンで分かりますが、成香も揺杏も右利きです。
成香は由暉子のぶちまけた書類を右手で拾い上げているし、
揺杏は右手で由暉子の髪を梳いているので。
爽が左手に書類を抱えているのは、
「左手で拾った直後」だからであり、
続けて拾うときには書類を持ち替えると推察することができます。
(P174、P193)
③両利きである
最もシンプルで分かりやすい解釈。
獅子原爽は両利きのキャラとして設定されており、
カードは左手で切るが、じゃんけんは右手でやる。
これなら問題はスムーズに解決します。
ただし、この解釈だと想像する余地が少ないので、
心情的には別の真相があって欲しいというのが正直なところ。
以上、3通りの解釈を挙げてみましたが、
私が気付いていないだけで、また別の受け止め方はあると思うので、
「こういう解釈の仕方はどうだろう?」
と、皆様がそれぞれに答えを見つけていただけると嬉しいです。
もっともっと議論が進んで欲しい。
また、左利きの可能性がある爽も、
麻雀に関しては「右手でのツモ」です。

※
この上のコマでは、爽は由暉子の左隣に座っていますが、おそらく描き間違い。
その後は全て、爽は由暉子の対面に座っているため。
「登場キャラ全員が右手でのツモ」の問題に関しては、
自分の中では半分くらい結論が出てるので、
近いうちに何か書いてみるかもしれません。
あるいは書かないかもしれません。
全ては気分次第。
余談ですが、「両手で物を扱うキャラ」といえば、
春日井真深の名前も挙げることができます。


ただしこれらのコマは利き手がどうこうよりも、
手先の器用さを描いた場面だと受け止めるべきでしょう。
彼女はどちらの手でも、完璧に手品を披露できるということです。

春日井真深の後を追いかけた瑞原はやりも、
今は両手で麻雀牌の手品を
披露できるようになっているのかもしれませんね。
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